ときめきの神経庭園
うれしかったことを忘れないように、一言ずつ書きためる庭
/
この庭のきまり
/
/
/
//
/
書く
花の一輪一輪は、神経細胞の形からできています。
ときめくと神経は発火し、つながった神経へ信号を送ります。
/
/
嫌だったことは、何度も思い出す。
うれしかったことは、案外すぐ忘れる。
だから、残しておきたい方を自分で選べる庭をつくりました。
今日、心が動いたことは?
束の名前は、端末の中のAIが、書いた言葉にいちばん近いテーマを選んで付けています。
うれしかったことは、すぐ忘れる。だから、心が動いたことを一言ずつ書きためて、自分が何にときめく人なのかを知る庭。やることは三つ。書く、結ぶ、見える。
書く:心が動いたことを一言書くと、花が咲く。似ている花のあいだには、端末の中のAIが点線を引く(「似ているかも」の仮の線)。
結ぶ:「夜を進める」と、この庭で一晩たつ。庭が点線をたどって似ている花を結び、結ばれた花は色が戻る。結ばれなかった花は一日ぶん薄れる。脳が眠っているあいだに、昼の記憶をなぞって残すものを選ぶ働きを、自分で起こす。3回結ばれた花は、もう薄れない。夜は押したときだけ来て、何度でも進められる。現実の一日がたったときは、押さなくても花は一日ぶん薄れる(二重には数えない)。
見える:7つ以上の花が結ばれると、庭が瞳になる。瞳の模様は、花と、結ばれた線。自分が何にときめく人かが、そこに見える。花が増えるたびに変わり、メニューの「あなたの瞳」でいつでも見られる。
嫌だったことは夜になると何度も思い出すのに、うれしかったことは驚くほど早く忘れてしまう。だったら、残しておきたい方を自分で選べる場所を作ろうと思った。
一言書くと、神経細胞の形をした花になる。思い出せば色が戻り、しばらく触れなければ少しずつ透明になる。忘れても消えない。また思い出せばいい。
茎は軸索、枝は樹状突起、枝先の光はシナプス、花弁は細胞膜。一輪の花を、一つの神経細胞として作っている。
花が光る仕組みには積分発火モデルを使った。一緒に光った花どうしは、ヘッブ則に沿って少しずつ強く結ばれる。
思い出すと枝にスパインが増え、忘れかけた花は枝先から縮んでいく。夜に地面を走るさざ波は、海馬が昼の活動を高速で再生する現象をもとにしている。
夜に3回結ばれた花は、もう薄れない。眠りの中で何度もなぞられた記憶が、海馬から大脳皮質へ移り、長く残る記憶になるという考えを形にした。
出典:Wilson & McNaughton, Science 265 (1994) / Engert & Bonhoeffer, Nature 399 (1999) / Huttenlocher, Brain Research 163 (1979) / Squire & Alvarez, Current Opinion in Neurobiology 5 (1995) / Schacter & Addis, Philosophical Transactions of the Royal Society B 362 (2007)
端末の中で動く小さな日本語AI(ruri-v3、37MB)が、書かれた一言どうしの近さを調べる。近い花をそばに咲かせ、言葉は違っても内容が似ている記憶を点線で結ぶ。夜にどの花をたどるか、一言からどの記憶を探すかにも使っている。
AIが作った点線は切ることができる。一度切った二つを、AIが勝手に結び直すことはない。
ときどき、AIが二つの花を近づける(風)。何に心が動いたかという「核」が同じで、場面が違う二つを選ぶ。二つの続きとして「まだない一場面」を書くのは本人で、AIは未来の文を書かない。後日、似た花が咲いても、AIは「咲いた」とは言わない。「あの種から咲いたと思いますか?」と聞くだけで、決めるのは本人。
写真を添えたときは、色だけを花に使う。写真そのものは保存しない。書いた言葉も端末の外へ送られない。通信するのは、AIのモデルを読み込むときだけ(Hugging Face から取得する)。
Claudeと相談しながらコードを書き、実際の画面を見て直す作業を繰り返した。花の形はBlenderで試し、世界の雰囲気はVeoの映像から考え、最後はThree.jsで組み立てた。
コードや形の試作にはAIを使った。何を花として残すのか、何を忘れてよいものとするのかは、自分で決めた。
頭から離れないことは、「手放す」を選んで庭の外へ置ける。そこでは黒い神経になり、同じ過去を巡り続ける。庭の中の再生は、過去を材料にまだない未来を組み立てる。この二つの再生を、並べて置いている。
花を一輪残すたび、庭の外にある古い記憶がひとつ静まる。消すのではなく、少し離れた場所に置いておく。
「チュートリアル」では、作者が実際に書いた記録の庭を使って、育つ・書いてみる・つながる・夜に光がたどる・癖が見えてくる・瞳になる、を1枚ずつ自分でめくって見る。「書いてみる」で咲かせた練習の花は、自分の庭には残らない。自分の庭がこれからどうなるかの予告として置いている。この庭は自分の庭には保存されず、本人が書いた記録と混ざることもない。見本の中の種の文は、説明のために作った例で、画面にも「(例)」と出している。
忘れてしまってもいい。透明になった花は消えない。思い出したときに、また咲く。
初見テスト
ここで答えた内容と操作の所要時間をJSONで保存します。庭に書いた言葉は保存結果に含まれません。